麻炭パウダー
スペシャルインタビュー
〜 生産者に聞いてみよう 〜
今回、ご協力いただく野州麻紙工房の大森芳紀さんに、麻農家としての普段のお仕事や、体験教室の魅力などについてお聞きしました!
普段の農家さんのお仕事として、いつも行っていることというのはありますか。
学生
3月の末から種を蒔いて、7〜8月にかけて栽培をし、9月上旬に収穫をします。ですが、普通の農家と違うのは、収穫してそのまま販売することができないんですよ。一旦収穫したものから、繊維をとり出す作業を1年中やっているんです。それ主な麻農家の仕事で、そのとりだす表皮の部分で「精麻」と言います。その精麻を神社に集荷することが多いです。
大森さん
普段はどのような方が体験教室に来られますか。
学生
麻に興味を持った方っていうのが大半ですけど、やっぱりその神社、神事っていうとこから来られる方もいらっしゃいますし、幼稚園児や小学校の自由研究のような感じで来ることもあって、本当に幅広く来ていただけるのはありがたいなと思っています。北海道から沖縄までの全国各地からもですし、コロナ前は台湾やオーストラリアとか色々なところから来られていました。
大森さん
麻のお仕事を始めたきっかけを教えてください。
学生
私の場合、元々モノづくりが好きで、麻農家を継がずに外に出て、造形関係の仕事をしていました。自分でデザインもできてすごく楽しかったのですが、あまり材料について理解しないままモノづくりを行っていて、体には害がありませんよというのが、カタログに書いてあったりするのですが、実際に自らが作って運んでいる間に、ちょっと気分が悪くなる時がありました。そんな経験から、その素材や材料からモノづくりしたいなと思っていたころに、たまたま実家が麻農家だったんですよ。それで、種からモノづくりしてみたいなと思い、就農したのがきっかけです。
大森さん
日本で大森さんみたいな活動をしている方は他にいらっしゃるのでしょうか?
学生
そうですね。栃木のこの辺では麻農家さんが、10件くらいあります。栃木じゃなくて、他の件とかもたくさんあります。
でも、専業農家っていうのは実はいなく、台風や、どうしても避けられないものもあるので、大体みんなネギと麻とか、お蕎麦と麻みたいな感じでやっているので、唯一うちが麻専業農家となっています。
大森さん
大森さんがこういう活動を続ける理由はありますか。また、活動を通してのやりがいとか、なにか感じることってありますか。
学生
ワークショップで遠くに行ったりする機会とかでもそうなのですけど、日本人と密接にこう、関わりのある繊維なんだっていうのが、やっぱ、やればやるほどわかって、それがなかなか尽きないんですよ、本当に。そういうものを、やっぱ残していきたいですかね。やりがいは、本当に動けば動くほど魅力が発見できるし、手仕事が中心なため、触れれば触れるほど、麻が向いているのだなと発見ができるのが、やりがいというか、楽しさです。
大森さん
麻の現状、日本での世間からの捉え方とか、そういう部分について、大森さんが、これから、どういう風にもっと広まってほしいとか、どう今捉えているのかなっていうのを教えて欲しいです。
学生
麻と聞いてびっくりする人も、よくよく話すと、みんな神社には行くし、冠婚葬祭というものをやっていて、その中で、麻が使われているわけなので、やっぱり、そのメディアというか、報道だけ見ていると、どうしてもネガティブなイメージが強いですけど、 本来、日本人と麻はこういうもんですよっていうのを、こう知ってもらいたいという想いがあります。本来の神事とはなんだろうねというところ、麻農家の基盤みたいなのを広め、増やしていきたいです。
大森さん
体験教室だったり、大森さんが出向いて教えに行ったりとかする場での若い人たちとの関わりというのはありますか?
学生
そうですね、割と多いと思います。どこに行っても多くて、それをきっかけに来てくれる子もいるし、来て、収穫とかを経験して、こんなに激しい仕事なんだって言って、現実を知る子も色々います。
大森さん
ここで収穫の体験はされているのですか?
学生
収穫の体験を、以前はできていたのですが、ちょっと今はその収穫体験ができないというか、畑に入る人は、 なんか、それはそれで、その補助者免許みたいのを全部取らされるようになってしまったので、この辺も多分、法改正と共に、こう変わっていくとは思うんですね。
大森さん
体験教室のここがいいというポイント、おすすめポイントを教えてください。
学生
おすすめポイントとしては、麻の魅力を知っていただきたいっていうところと、自分の手だけで色々なものを生み出せる手仕事の楽しさを知れますというところがひとつポイントかなと思います。
昔から日常生活や身近なものが麻からできているもの多いのでそういった一端を体験していただけたらありがたいなっていうところでしょうか。
大森さん
それは世代問わずですか?
学生
世代問わずですね。
最近は若い方も工房に来てくれることが増えていて、コロナとか大変な時期もありましたけど、価値観や考え方が変わってきているのかなと思います。
大森さん